Entry: main  << >>
スミソニアンのHOOKLESS No.2?
0



    HOOKLESS No.2といえば、
    スミソニアンの国立アメリカ歴史博物館で公開しているこのページ

    これ、画像が小さいので前っから疑問だったんですけど、
    ようやくその現物の拡大写真が手に入りました。 (コレ↓)

     
                 HOOKLESS No.2 ???
              (Courtesy of Prof. Robert Friedel)

    で、よく観察すると、一瞬、No.2じゃなくてNo.3に見えるのです。

    No.2は特許1219881にあるジッパーの歯で、
    No.3は特許1243458にある歯なんです・・・。
    微差の間違い探しレベルの特許図を下に。
     
    特許1219881 (1917)  特許1243458 (1917)

    右の特許の歯は合わさっている部分の端の下がちょっと削られてるのが
    わかるでしょうか? でも、上の写真の歯がどっちなのかは現物を
    みなければ、微妙すぎてわかりません・・・。

    HOOKLESS No.3
    本にも書きましたけど、実は、フックレス社では欠番あつかいなんです。
    ただ、上の写真をくださったメリーランド大学のフリーデル教授が
    旧タロン社の副社長さん(デイビッド・コンナー氏)と話をされたところ、
    「No.3は特許1243458に基づいたジッパーだろう」という結論に。
    (フリーデル教授の著書「Zipper」のp264参照)

    No.2とNo.3の差があまりに小さいので、わざわざ区別する必要が
    なかったのでしょうね。でも、歯の形状が違うということは、金型の
    変更という大きな事件です。時期的には1915年ごろ。この頃は
    会社の規模も小さくて、社員は全部で20名ていど。小さな町工場では
    そんな変更も大きなイベントだったのではないでしょうか。
    No.3になったことでジッパーの曲げの柔軟性などが改良されています。
    サンドバックも製品番号を同じにしたくはなかったけど、会社としては
    区別するメリットもなく、なんとなくNo.3が欠番になったのかな〜と・・・。

    2006年に私が副社長さんにお会いしたとき、これを聞いてみたかった
    のですが、体調もあまり芳しくない高齢の方をあまりに細かい話で
    煩わせるのは申し訳なかったので、やめておきました。
    他にも聞きたいことだらけだったし。
    副社長さんは2008年に亡くなられたので、もう聞けないんですよね。
    No.3について、やっぱり聞いておけばよかったかな・・・。

    ☆ ☆ ☆

    で、この写ってるジッパーの現物をスミソニアンで見せてもらえば、
    どっちの特許の歯なのかわかるんですけど、ちょっと微妙な状況でして。
    噂で聞いただけなのですが、数年前の博物館の倉庫の移動かなんかで、
    ジッパーのコレクションが現在、一式行方不明になっているとか!!
    結局、この噂が恐ろしすぎて、聞くに聞けないんです・・・^^;



     
    | あお太 | 23:36 | - | - | - |